第244章 天邪鬼の愛〜中紅花〜(31)時が繋がるルージュ編※R18
好きな人がいれば……
好きな人にだから……
「………教えて。……が、…ん……ばるから…///」
「ひまり……………っ」
恥ずかしくても、照れても、俯いても……頑張りたい。
パサッ……
私が着ていたドレスはソファの上。
もう原型をすっかり失ったストッキングを履いているだけの姿には流石に恥ずかしくて……
「は、ずか……しい……///」
「かなり唆るけど……ほら……」
隠れるように、
軽く広げられた家康の腕の中に。
向かい合った体勢のまま、唇がゆっくりと重なり、豚ばむように唇を吸われる。そうしていたかと思ったら今度は下唇を挟むようにして、上唇も同じようにされて……気づいた時には息継ぎも出来ないぐらいキスは激しくなる。
「んっ……ふぁっ……」
「その顔、好き…………いっぱいして欲しそうな………そんな顔……」
「はぁっ……だって、家康の舌……っ、あったかくて……気持ちいい……」
「ひまりの肌も……柔らかくて、すべすべして……手に吸い付いてくる」
「んぁ……っ……」
家康の手の動きに合わせて、
形を変えてゆく胸。
家康の囁く言葉で、
私の表情が目まぐるしく変わる。
肌も唇も心も、重なって、くっ付いて、求め合って……身体も心も熱くなって……
(早く一つになりたい……)
涙でぼやけかかった視界の中。
……心身ともにそれを強く望んでしまう。
でも、今日のこの日のこの時間。
一つになるのは繋がるだけじゃないのを、家康が教えてくれて……
「……い、えや…す」
「大事にさせて」
腰元を掴まれて腕を絡ませれば耳に届いた、少し掠れた甘い声。家康は「嫌だったら言って」私の顔を覗き込むように真剣な目でそう告げた後、してくれたのは何かの合図みたいにちゅっ、ってリップ音を立てた触れるだけのキス。