第244章 天邪鬼の愛〜中紅花〜(31)時が繋がるルージュ編※R18
それでも……
う、嘘、ウソっ///って、言いながら視線をもう何処に向ければ良いのかわからなくなって、ぐるぐるあっちこっちに動かす私を他所に……じゃないと、わざわざノックなんかしないって家康は追い討ちをかけるように言って……
「撮影が終わったらシャワー浴びようと思ってスタイリストの人に場所……教えて貰って、確認に。……その後、控え室に戻ろうとしたら神木と廊下ですれ違った。だからノックせずに中に入ろうとしたら何か物音が聞こえて……」
耳を扉に寄せたら……って。
「一瞬、ひまりかわかんなかったけど。……黒髪だったし……ってか、………思い出したら///」
今度は家康が視線を横に逸らす番。???って疑問符浮かべた数秒後私もある事に気付いて、更に顔が赤くなる。
「「………/////////」」
今の自分達の格好も、
状況もすっかり忘れてて……
「……もう、熱くないの?」
熱い吐息と問いかけが、唇にかかる。
私はその問いかけに暫く悩んだ後、
家康の頬を両手で挟むように包むと……
「まだ……熱い。今度は心が………だから……」
私の唇についてたルージュ。
今はほとんど目の前の家康の唇に付いていて……また、それを私の唇に戻すように……
どうしたら、
二人で気持ち良くなれるか教えて……
そう言って寄せた唇が重なる瞬間。
翡翠の瞳が少し開くのが見えた。