第244章 天邪鬼の愛〜中紅花〜（31）時が繋がるルージュ編※R18

まさか、我慢してくれてるなんてこれっぽっちも気づけなくて……なのに、私は与えて貰うたびに自分を見失うぐらい求めて、欲しがって一向に治らない熱を、抑えれない疼きをどんどん止めれなくなって……



（情けなくて恥ずかしいのは私の方だよ……）



目尻から溢れる、
涙を掬い取って貰った後。



「ち、っとも……かっこ悪く…な、んて…ない、……」



私は軽く首を横に振って、逆に格好良くて困るぐらいで謝るのは私の方だよって俯いて言うと、「謝らなくて良い」って……優しい声がすぐに上書きしてくれる。



「それに家康は……優しいよ。な、んで……あんな事っ……してたのか……聞かないでくれた…し……」


「……そ、れは。……まぁ。……驚いたし、気にはなったけど………俺も……たまに……///」



涙の残りを押し出すように「たまに？」……片目を瞑りながら聞くと「そこは察して」って、家康は口を尖らせて凄い速さで答えたかと思えば……ゴツン！今度はさっきよりちょっと強めにおでこがぶつかる。


その衝撃に思わず反射的に目をぎゅっと瞑ってしまい……そぉーっと瞼を持ち上げた瞬間、胸がドキッっと跳ねて肩も同じようにビクッと跳ねた。



「家康……」



少しでも動いたらキスしそうな、
距離で絡む視線。



「言いたくなかったら別に言わなくて良い。………ただ……そんな風に俺の名前を呼んでシテたから……やばかった」


「へっ…………名前？……な、名前っ///名前なんか呼んでっ///」


「無意識なら尚更、可愛いんだけど。……普通にドア開けようとしたら……家康の……って、微かにだけど聞こえた。……一瞬、聞き間違えかと思ったけど……」



（う、そっ。…もしかして…声にっ///）



あの時、ぼっーとしてたから絶対に違うって言える自信もなくて。それに、ソファで確かに家康の香りを感じたのは確かで……思わず口をポカンと開けて、すぐにボンって音が鳴りそうなぐらい顔が一気に熱くなる。