第244章 天邪鬼の愛〜中紅花〜(31)時が繋がるルージュ編※R18
慌てて両手で塞いでふるふると涙を落としながら首を振れば、先端を弄んでいた口が一瞬だけ離れて……「返事」そう動いた。
「何か、苦しそうだけど………薬でも持って……」
お日様色の後頭部をぎゅっと胸に押し当て、こみ上げてくる快感にひたすら耐える。
大丈夫だからって。心配して貰ったことのお礼と、編集長さんに少し撮影を待って貰って欲しいと伝言を頼む。
すると、「わかった」って短い返事が聞こえて……
遠ざかっていく足音。
(ご、めんなさい……でもっ、このまま………撮影な、んて)
ひまり……
熱を孕んだ吐息が耳にかかり……
「ンンッ!!」
「……よく出来ました」
グッと奥に入り込んだ細い指。
ただてさえ敏感になり過ぎた耳。
「……ご褒美あげないとね」
間違えなかった分も。
そこに舌を這わされたら……
もう立ってなんかいられなくなる。
縋り付くようにぎゅっと回した腕に力を入れて、おねだりするように唇を近づけ……
ご褒美を貰う。
(だめ、…な、のに…っ)
頭の片隅。
そのどこかには、ちゃんと撮影のことを気にする自分がいるのに……
「ああっ、……っ、んあっ……」
快感に溺れて……
もう、何にも考えられない。
「他の奴に聞かせたくない」
(………いえや…すっ…)
名前も呼べないぐらい、
唇が重なったまま少しも離れなくて。
ふわりと浮いた身体。
「はぁっ、はぁっ……お、願いしてもいい…?」
コンタクトだけ外して欲しい。
ソファに沈む前にお願いした。