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イケメン戦国〜天邪鬼と学園生活〜

第244章 天邪鬼の愛〜中紅花〜(31)時が繋がるルージュ編※R18




このカットの撮影が終了___


オッケー!!
一際スタジオに響いた張りのある声。


「ひまりちゃん!すぐに着替えとヘアメイクね!」


「はいっ!家康!また、後でね!」


膝丈の白いスカートを揺らして、顔の横で手をパッと咲かせたひまり。生憎、左手はくまの縫いぐるみで塞がってる。俺はちょっと考えて、さっきの延長みたいなもんだし……そう言い訳を心の中でしながら、自分の代わりに縫いぐるみに小首を傾げさせ返事をさせた。


すると、ひまりは表情に花を咲かせてクスリと笑い、履きなれないヒールで小走りしてスタイリストの後を追う。


(っとに、さっき転けかけたのもう忘れてるし………それにしても……)



また、後で……か……。



俺はコートを脱ぎながらセットから出る。暖房が効き過ぎなのと、撮影中ずっとあてられていたライトでセーターの下が汗ばみ、チクチクした質感の毛糸に粘りつくように引っ付いて蒸されたように暑い。


(シャワー。普通に浴びたい)


後で浴びれないか、どっかの部屋に完備されてないか、聞こうと打ち合わせデスクがあるほうに視線を向けたが……パソコン画面に噛り付いて念入りにチェックする編集長とスタッフ、カメラマンを見て、その場は一旦諦める。


撮影セットの背景がまた変更されていくのを横目に見て、軽く無造作風にセットされた髪を手櫛で整えた。


扉の近くに行くと、
見学していた二人が駆け寄ってくる。



「凄いわねっ!もう、完全に二人の世界って感じがしたわ!ねっ?三成くん」


「すいません。それが……気づいたら撮影が終わってしまっていて」


「え?撮影中、どこ見てたの?」


「それは……」



ずっと、貴方から視線が離せませんでした。三成の鳥肌が立ちそうな台詞を先に予想して、俺は一言も交わさないまま控え室に向かった。






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