• テキストサイズ

イケメン戦国〜天邪鬼と学園生活〜

第244章 天邪鬼の愛〜中紅花〜(31)時が繋がるルージュ編※R18




私は何とか話題を変えようと、頭を巡らせているとふとある事が気になって聞いてみる。



「家康?……そう言えば、迷惑掛かるって……言ってたよね?」



ーーなら、撮影中止して。



途中でやめれないって言ったら、俺には迷惑かけても良いのって……確か言ってた。



ーー掛かるよ。そんなに……



あの言葉の先をまだ聞いてない。


あれはどうゆう意味?
そう尋ねると……



ふっ、とガラス越しに見る家康の周囲の空気が一瞬にして変化する。


どう変わったか……
そう聞かれたら困るけど、私の体に回していた腕の力が微かに強くなって。



真っ直ぐ向いている翡翠色の瞳が、
何処かに彷徨ったような……

戸惑いのようなものが感じ取れた。



「……迷惑掛かると言うより、困る」



困る??



「……時々……ずっとこうやって腕の中に閉じ込めていたくなる」



誰にも見せたくなくて。
誰にも触れさせたくない。
何処にもいかせたくない。



「ひまりが強くなったり、綺麗になる度に……俺は……」



俺は……?



「二人ともいい感じだよ!」



二人だけの空間にどっぷり浸かっていた私達。その意識を戻すかのように大きな声が響き渡った。


次が多分、広告で使うカットになるからと編集長さんの声を切っ掛けに、スタッフさんが動く。



(また、途中までしか聞けなかった……)



一つわかれば、
また一つわからない事が増える。


メイク直しと簡単な衣装チェックを終えてポージングも目線も変わらないまま……




「ゴホッ…ゴホッ…ーーーー」



え……?


咳に混じってしっかり聞き取れなくて。
もう一度、聞き直そうとすれば、それより早くに目の前に何かが差し出される。


くまの縫いぐるみ。


限定のルージュを両手で挟み……



「……メリークリスマス」



可愛らしく小首を傾げた。






/ 1793ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp