第237章 天邪鬼の愛〜中紅花〜(24)時が繋がるルージュ編※R15
ハート形のクッション。
俺の背中からなくなり、ひまりの胸の前からなくなり……
床の上で無造作に転がる。
「ひまり」
長い髪を梳きながら……もっと意識して可愛い反応する姿が見たくて耳元で名前を呼ぶ。すると身を守る物が俺に取り上げられて、ますます無防備になったひまりは……
きょろきょろと視線を泳がせ、
「そういえばね」と、明らかにとってつけた言い方をしてベットに手を伸ばすと、くまの縫いぐるみを掴み目の前に突き出す。
「こ、これねっ///生地が余ってたから、くまたんにパーカー作ってみたのっ!家康とお揃い!だから、いえたん?みたいなっ///」
毎日、一緒に寝てるんだよっ!
ぎゅうぎゅう抱いて、真っ赤な顔して「可愛くない///?」とか、必死に場の雰囲気を変えようとしてるけど……
(っとに、可愛過ぎっ///)
俺のツボを、
ぐいぐい押してるだけだし。
「はぁー……///自分で何言ってるか…わかって言ってる?……はい、没収」
「あっ!いえたんっ!」
「いえたんじゃなくて……」
くまの縫いぐるみを床に置いて、首筋にキスを落としながらパーカーのジッパーをゆっくり下ろしていく。
「んっ……い、えやす……」
甘い声に変わったひまりを抱き寄せ、
ベットの上に座らせる。
「で、でもっお父さん達、いつ帰ってくるかわからないからっ///」
「ちょっと見るだけ。あと……シルシ。そろそろ薄くなってる頃だから……付け直し」
ジッパーを最後まで下ろすと、恥ずかしそうに横を向くとことか、本当に可愛くて……
(俺の為って。……自惚れるよ)
肌蹴たパーカーから浮かぶ白い肌。
その胸元を覆う下着を見て……
欲望を燃え上がり、どくどくと全身の血が滾るのを感じた。
赤い下着なんて普段はつけていない。
この姿を、暗闇でも、僅かでも……
あいつら……他校生の奴らが見た時、腹の底から怒りが湧いて頭がどうにかなりそうだった。