第50章 「恋の和歌集(14)家康様編」家康様side
「いえや……!っん……」
唇を塞ぎ、舌を絡ませ逃げるひまりのを追いかけ、
「はぁっ……」
力が抜けたようにトロンとする姿に、俺は拘束して腕を離す。
下着をずらし、直接触れた膨らみの柔らかさに熱が一点に集まり始め……
「ひゃっ……ぁ……」
まじやばい。
止まんない。
抵抗しないひまりに淡い期待をしながら、着ていたパーカーを上まで捲し上げようとした時……。
やばっ。
最悪。
ひまりがベットの下に隠してあった本に気づき、
「家康の気持ち……わかったかも……」
顔を真っ赤にしてその本を持つ手を震わせ、
「変態っ!!!///」
その本を思いっきり、俺に投げつけた。
っとに。
秀吉先輩がこんなの置いてくから。
ぶち壊し。
さっきまで甘ったるい空気は、
すっかり失われ……
「これ俺のじゃないし」
「何でそんな嘘つくの!!」
「秀吉先輩が前にうち来て、置いて……」
「秀吉先輩は、そんなエ、エッチな本見ないもん!」
何それ。
俺がまるで変態みたいな言い方。
完全に勘違いしたひまりは、俺から離れクッションを胸に抱え防御体制に入った。
(秀吉先輩、責任取って下さい)
「家康のエッチ///ようするに、お年頃で興味があったんでしょ!」
「だから、本当に俺のじゃないし」
ふんっ!と背中を向けるひまり。でも怒って部屋から飛び出すわけでもなさそう。一歩前進?
はぁ……。
俺の熱、どうしてくれんの?
「……もう、何もしないから」
「信用出来ない!」
後ろからクッションを取り上げ、
「ひまりだって、感じてたし」
「〜〜〜っ///」
それは、と口籠る姿を見て……
何となく8割まで近づいた気がした。
「歴史の出そうなトコ、教えてあげるから」
「……ほんと?」
やっとひまりは、振り向く。
「ほんと、ほんと。俺のヤマは信じて大丈夫」
「絶対!ぜっ〜〜たい!意地悪しない?」
「……多分」
かなり、頑張らないとキツイけど。それは敢えて言わないでおく。
ってか?何?
アレはひまりの中で意地悪なワケ?
俺は、本を再びベットの下に戻し……
盛大なため息を吐いた。