第7章 保健教員「明智光秀」
もう一度、扉に手をかける。
すると、女生徒が保健室から出てきて一礼して廊下を走り去っていく。
あれ?用事済んだのかな?
「姫宮、入れ」
「あっ!は、はい」
って言っても家康探しに来ただけなんだけど。
そう思いながら、一旦中に入る。
薬品匂いが漂う、清潔感のある保健室。いつの間にか真っ白なデスクの前に明智先生は座っていて、私は近くにあったソファーに腰掛けた。
「良かったんですか?さっきの子、体調不良で来てたんじゃ……?」
「クッ。お前にはそう見えたのか?」
え?違うの?
白衣姿で独特の雰囲気を持った明智先生は、この学園の保健教員。
私も部活で怪我なんかした時はよくお世話になってて。
「まぁ、いい。そうだな、お前も診てやろうか?」
「へ??………っ!!」
先生は立ち上がり……
そして、突然私の視界が反転する。
真っ白な天井。
ミシッ……
ソファーに乗りかかる先生。
「け、結構です!すこぶるぐらい元気ですからっ///!!」
「顔が赤いぞ。風邪気味か?」
「違います!///家康を探してて……保健室で寝てないか見に……って先生!何でリボン外すんですか!///」
いつの間にか外された制服のリボン。
明智先生はそれを床に落とし、
身体検査してやる。
そう囁いた。
え……///
私は慌てて手で先生の身体を押し返し、
「からかわないで下さい///!!」
キッと睨みつける。
喉の奥を転がしながらクツクツと笑う、先生。
「お前の反応が一番良いな」
いつも、意地悪でからかわれてばかり。思わず頬を膨らませると先生は外したリボンを拾い、拗ねるなと言って、私の手に乗せた。
「家康なら、式が始まる前……裏庭の方にフラフラ歩いて行ったぞ」
「裏庭……?まさか朝からずっと?」
「見て来い。どうせ呼び出しでも食らったのだろ?」
さすが明智先生、鋭い!
「ありがとうございます!」
「次は時間ある時に来い。身体検査、時間掛けてしてやる」
「遠慮しておきます!」
ソファーの横に置いた鞄を持ち上げ、
また、先生にからかわれる前に裏庭に急いで向かった。
戦国武将五人目
「明智光秀」
白衣姿のミステリアス
戦国学園の保健教員