第7章 保健教員「明智光秀」
保健室に向かいながら流れるように見た窓の外。春らしい色とりどりのチューリップ花。手入れの行き届いた花壇に植えられ、春の訪れを感じさせてくれた。
(そう言えば……)
校舎裏にある裏庭。一年間、通いながらまだ一度も足を踏み入れた事がない。
確か、そこに五百年前に建てられた石碑があるんだよね?
学校案内に載っていた「戦国学園」の歴史。
五百年続く、由緒ある学園。
建物は何度か改装されて、当時の面影は一切失くなったみたいだけど……
唯一、取り壊されず残された石碑。
それが裏庭にはあるみたいで。
(確か、学園のジンクスでその石碑の前で両思いになると、何とかって女の子達が騒いでて……)
前はよく告白の場所に使われたりしてたみたいだけど。別れちゃうカップルが続出して……
ジンクスが消えつつ、今ではひと気のない場所になってるみたい。
(後で行ってみようかな?一度くらいは、見ておきたいし!)
家康を見つけて、織田先生にお説教されている間にでも。
保健室__
明智先生、居るかな?
「すいま………」
「明智先生、だ、誰か来ました!///」
「……………姫宮か、何用だ?」
ガラガラピシャン!
思わず扉を閉めた私。
………ん?
生徒がベッドに居て、明智先生がその上に覆いかぶさって……?
ん?見間違いかな??