第221章 天邪鬼の愛〜中紅花〜(8)※弓乃×政宗様
元カレ。元カノ。
高校二年生にもなって、彼氏いない歴イコール年齢みたいな私は、多数派なのか少数派なのかは、分からない。
あんだけ格好良ければ、元カノがいても別におかしくない。恋愛経験ゼロって言われたほうが、信じれないかもしれない。
でも、でも……
でもさ。
誰だって、好きな人の一番目になりたいって、普通に思うじゃん?
だったら良いなとか。思うのは自由だしさ。
もし元カノがいても、今の一番になれたら……
あれこれ、付き合ってもないのに。
告白する前から、一人で考えて。
政宗の衣装。
本当は、格好良いの作ってあげたかった。でも、でも……文化祭。他校生もいっぱいくるし、綺麗な女子大生とかもくるし……。
逞しい肩とか、つい隠れちゃうような衣装作って、何気に自分のとテーマ揃えたら、知らない人から見たらカップル?とか、思って貰えるかなって……
だから、罰が当たったんだ。
そんな下心、そんな卑怯な考え、自分らしさ失くしてまでしたから。
だから、前日に元カノは現れ、弱ってる時に、仲良い男子から、人生初の告白。
正真正銘、恋愛経験ゼロの私には断り方とか、すぐに浮かばなかった。
極め付けに、文化祭に政宗目当てで元カノが来るとか……。
ーーえーっ!元彼!?
ーーなに、なに!じゃぁ今日、部活あるのに、どうしてもこの文化祭に行きたい!って、言ったの!そうゆう事?
サクラって人の頬が、
ほんのり染まるのを見た瞬間……
動揺して、頭真っ白になって、
ガシャンッ!!
気がついたら……
手からグラスが滑り落ちてた。