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イケメン戦国〜天邪鬼と学園生活〜

第218章 天邪鬼の愛〜中紅花〜(5)




私まだ、持てるよ?
もっと、持つよ!

って、二人に言っても……

家康には、良いからって言われて。
信康くんには、首を横に振られる。


唯一の共通点は、優しいところかな?


アスファルトに映る、三つの影。
私達は三人で横並びで歩いて、駅に向かう。今から学校に戻って、飾り付けをする班と、家庭科室で政宗とゆっちゃんの指導のもとプリン作りをする班。

二手に分かれて、準備。

皆んな、気合いが一段と入ってる。その理由は、模擬店の総合優勝を狙い。今年の総合優勝の景品が、打ち上げ費用を全額バックアップみたいで…それを知ってからクラスの団結力もさらに上がって、皆んな凄いやる気が出たみたい。



もうほとんど葉が散ってしまった、
並木道。



「ゆっちゃんと政宗。もう買い物、終わったかな?」


「まだ、掛かってそうだけど。あの二人が、すんなり買い物とかしなさそう」


その言葉に、
思わずクスクスと私は笑う。


明日は、ゆっちゃんが政宗に告白する大切な日。二人には、本当に数えきれない程の感謝をしている。

幸せになって欲しい。
でも、それは二人の想いが決めること。本当はたくさん、たくさんお返ししたいのが本音。

私が出来ることなら何でも。


でも……


荷物で塞がった家康の両手。
代わりに、ブレザーの裾をつまむ。


ん?って、反応して家康の顔がすぐにこっちに向く。私はただ静かに笑って、摘んだままロファーのつま先に視線を落とす。


ーーお節介は禁止。当人同士の問題だから。二人が見守ってくれてたみたいに、俺たちも見守るのが一番。


家康と一緒にそう決めた。
その代わり、二人がそういう関係になった時は、祝福をいっぱいしようねって。




政宗のことが好きなのに、
ずっと側に居てくれて……
私のことを見守ってくれて
背中を押して、抱きしめてくれて……
支えてくれたゆっちゃん。


私が家康のことを、
好きなのを知った上で……
私に想いを沢山くれて、
優しくしてくれて、慰めてくれて……
それでも好きだと言ってくれた政宗。



そんな二人だからこそ、
誰よりも幸せになって欲しい。




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