第218章 天邪鬼の愛〜中紅花〜(5)
二人ともツンと鼻筋が通って、女の子みたいに陶器のような綺麗な肌。どちらかというと、童顔で小柄な方。
(でも、脱いだ時は……///って、私///こんな時に何考えてっ///)
最近、肌を重ねる日が増えたから、つい、鮮明に思い出せてしまう。引き締まった胸板。逞しい腕。無駄がなく均等のとれた身体。
ーーひまりっ……。
私の名前を呼ぶ、吐息まじりの声。
全身まで熱が回りかけ、頭をブンブン振って、浮かびかけた映像を急いで搔き消す。
「ねぇ、あの男の子二人。モデルみたいなんだけど!」
「ってか、三人ともモデルなんじゃないの!?」
周りのヒソヒソ声も、耳には届かない。店内の女の子達の視線が、一斉にこっちに向けられているとも知らずに、私は呑気に二人に挟まれ、買い物をする。
色素の薄い金色の髪が左側で揺れて、容姿端麗って家康の為にあるのかな?って、思うぐらい整った顔が私の顔を覗き込み、目が合う。
それだけで、
「ひまり。どっちにする?」
「う、うん!えっと〜……こっちのが可愛いかな?」
すぐにドキドキする胸。
「こっちのが、俺は良い思うけど?」
「あ!ほんと!可愛い〜」
信康くんの爽やかな笑顔は、どちらかというとホッとする感じ。
私には、二人が似てるとはやっぱり思えなかった。
テーブルクロス、モールの飾り付け、ハロウィングッズの残りがちょうど半額になっていて、その中からお化け屋敷に使えそうな物を購入。
「ありがとうございました」
二人がほとんど荷物を持ってくれたお陰で、私の手には、まるでコンビニでスイーツを買ってきた感じの小さな袋一つ。