第218章 天邪鬼の愛〜中紅花〜(5)
私は、更に頭を横に下げて……
家康の視線の先を追うと、キャッ、キャッと女の子達が棚の前で、来月のクリスマス商品を楽しそうに見ていた。
恥ずかしいのかな?
「顔、真っ赤だよ?そんなに恥ずかしい?」
「……っとに///入るから、もうちょい離れて」
その言葉を聞いて、
「あ!ごめん……くっ付いてたら、恥ずかしいよね」
家康が赤面してる理由がわかって、パッと手を離す。いくら付き合っているとは言っても、信康くんも隣にいて、他にもお客さんが沢山がいる前で腕を組んだりしたら、普通に恥ずかしいよね。
つい、放課後デート気分ではしゃいでしまったことを反省して、ちょっぴり肩を落とすと……
前髪がスッと家康のシャツを掠める。
そして、
「……鈍感。そんなにくっ付いたら、色々と我慢出来なくなるの、わかんない?」
耳元に落ちる掠れた低い声。
続けざまに、二人っきりの時にしてって言われて顔を上げると、ふにっと頬っぺた引っ張られて……
「普通にあたってるから」
「え?何があたっ……」
喋っている途中。今度は家康の手が横から伸びてきて、やんわりと腰元に絡まる。
「ほら、ささっと済まして戻るよ」
「ま、待って!信康くんも!」
「大丈夫。二人が入るならはいるよ」
「別に無理に入らなくて良い。ひまりと買ってくるから、外で待ってたら?」
ツンツンした物の言い方をする家康。注意しても全く知らん顔して、私を連れて奥に進んで行く。そんな態度なのに、信康くんは少しも嫌な顔をせずに後ろから付いてきてくれて……
(皆んなに、双子じゃないの?って、騒がれるぐらい似てるみたいだけど……)
性格は全然似てないよね?
それこそ、私は顔も似てるとは思わないけど。
二人の顔を交互に見て、
間近で見比べる。