第215章 天邪鬼の愛〜中紅花〜(2)
今日から同じクラスメイト。
文化祭も後、数日に控えているからこそ仲良くして欲しい。校内の案内も良かったら、昼ごはんをいつも食べているメンバーで案内するからと伝えた。
あと、
「今は、ちょっとご機嫌ななめだけど。普段は優しいから!」
家康のこと誤解して欲しくない。
私は笑顔を作って信康くんに、そう話す。
「ひまりが謝る必要はないよ。こっちこそ、笑ってごめん。もしかして、二人は……」
信康くんはクスリと笑った後。
私の顔と家康の顔を交互に見て……
そうゆう関係とか?
そう聞かれて、かぁっ///と思わず赤くなりそうな顔を私は隠す。
そうゆう関係イコール。
恋人同士に繋がって……
「えっと、それはっ///」
しどろもどろになり、その先の言い方に迷って、一人であたふためく。クラスの皆んなは勿論だし。部活の皆んな、他学年の人や、先生たちまで何故か私達が付き合ってるのは、知っていた。
だから、
こんな風に改まって聞かれたことなんて、下手したら一度も無いかもしれない。だから、余計に返答の仕方に困ってしまい……
(うんって頷くだけで良いのかな?そうだよとか、恋人同士……なんて///口に出すのは恥ずかしいし///)
指をもじもじ胸の前で動かす。
「そ、その///家康と私は、幼馴染でもあって……え、っと///」
そこまで言いかけて、助け舟を求めるようにチラッと斜め上を向いて、顔を横に動かしたら……
(え……)
ふわりと腰に巻きつく両腕。
目が合うよりも先に。
吐息がかかる方が早くて。
チュッ。
唇に感じた柔らかい感触。
(…………)
ただ、ただ、その一瞬の出来事に頭がついていけなくて、目を開けたままだった私。