第212章 『意地悪なangel』
「良かったぁ〜!家康があんまり、歴史を厳しく教えるから、そんなに私の成績が危ないのかなって、不安になってたんだぁ〜」
「そんなに凄かったんですか?」
「うん!凄いよ!勉強スイッチ入った、アッチの家康は、鬼みたいにスパルタでね!でもね、伊達メガネ付けて欲しいって、頼んだら付けてくれて……」
それが、格好良くて///
ひまりはポッと頬を赤く染め、その姿だったからこそ苦手な歴史も辛くなかったと、話す。
「怒りながらでも、ちゃんと教えてくれたから。三学期は、優しくお、し、え、て、ね?」
チョンと家康の頬を突き、
妖しげに一瞬、笑う。
(完全にあ、そばれた……)
確かに赤点を取らせまいと、今回、いつも以上に厳しく勉強をみたのは間違いない。魂が抜けたように唖然とし、凄まじい雷が家康の頭上を突き抜けた時。
カツカツ。
「お前ら何をやっている」
「「明智先生」」
次に現れたのは、
白衣に身を包んだ光秀。
「クッ。一体、何があったんだ?家康が、石のように固まっているぞ」
「それが、家康先輩の話によりますと……」
三成からこっそり事情を聞き、
バトン交代。
「明智先生?」
「いつも通りに見えるが……」
確かに、少し顔色が悪いな。
光秀は、ひまりの顔の輪郭をなぞり、家康とは反対側の隣に座る。
「リラックス効果が必要だな」
長い脚を組み、喉の奥を鳴らした。