第212章 『意地悪なangel』
そして、放課後。
話し合った結果。文化祭、クラスの模擬店が同票だった為、コスプレお化け屋敷、喫茶に決まり……
「よし!副部長の家に、押しかける予定はなしにして!文化祭!はっちゃけちゃおうよ!」
「うん!そうしよう!プリン!一番に試食させてね!」
告白カウントダウンに入った弓乃は、この機会を逃すまいと、政宗の所で喫茶で出すオリジナルプリンの試作品を考える約束にこじつけた。
本来予定ならこのまま、下校。
しかし、文化祭実行委員になった家康とひまりは、教室に残りクラスの模擬店の必要経費を大まかにあげ、提出することになったのだが……
ひまりは、
スッと家康の隣に移動して……
「ふふっ。二人っきり……だね」
何する?
家康の左腕を、人差し指でゆっくり、ゆっくり這うように下へと滑らせた。
ビクッ!
(……や、…ばい)
徳川家はただいま両親不在。
普段なら、こんな美味しい日を逃すはずがない。ひまりと放課後デートを楽しんだ後、家康は間違いなく連れ込んでいただろう。
そう、普段のひまりなら。
「ふふっ。どうしたの?顔、真っ赤だよ?」
可愛い。
ただ今、目の前にいるのは可愛い顔した不敵に笑う彼女。
完全に立場逆転。
「あれ?もしかして、お二人も文化祭の実行委員になられたのですか?」
たまたま廊下を通った三成。
二人の姿を発見して、教室を覗き込んだ。