第211章 『angelの誘惑』後編※R18
看病___
病人のお世話をすること。
朝、メールを貰って……
学校にいる間、ずっと心配してた。
チャイムと同時に、真っ先に教室を飛び出して、コンビニでヨーグルトと飲料水を買って……。インターフォンを押したら、家康を起こすといけないと思って、玄関前でどうしようか悩んでいたら、ちょうどおばちゃんが出てきた。
家康の容態を聞いたら、薬を飲んでからずっと寝てるみたいで。
ーー今の内に、お夕飯の買い出しだけ行ってこうかと思って。微熱だから、大丈夫だとは思うんだけどね。
ーーおばちゃんが出掛けている間、私に看病させて下さい。
ーーありがとう。なら、お願いしようかしら?ひまりちゃんが看病して……あ!看病で思い出したわ〜ちょっと待っててね。
そしたら、前に話をしていたナース服を出してくれて。
ーーこっちはサイズを昔に間違えて購入しちゃってね。交換しようかと、思っている間にすっかり忘れちゃって。ひまりちゃん華奢だから、大丈夫じゃないかしら?
おばちゃんから冷却シートとマスクを渡されて、ナース服試着して、そのまま家康の部屋に来たら、汗だくで眠っているのを見て……
冷却シートを貼った。
そしたら、
小さい頃、家康が風邪引いた時のこと、思い出して……
ーーひまりっ、ごほっ、かぜ、うつる、ごほっ、ごほっ。
ーーでも、一人だとさみしいよ?……いっしょにいる!
おばちゃんが家康の好きなものを、買いに行っている間、一緒に居るって言ったら、眉毛下げてふにゃって力なく笑ったのを、今でも覚えてる。
今でも、体調を崩したり
風邪を引くと家康はちょっとだけ、
甘えてくる時があって……
そこが、ちょっと可愛いくて……
なのに……
ヨーグルトを袋から取りだした瞬間。
後ろからグッと引き寄せられて、
「……早く、看病して」
ベットの上で、身体を半分起こした家康。肩で息をしながら、耳元で低く囁くと……
私を強引に、膝の上に乗せた。