• テキストサイズ

イケメン戦国〜天邪鬼と学園生活〜

第209章 『デートって何?』後編




「安土城跡」

安土山一帯にある織田信長、居城跡。国指定の特別史跡。安土・桃山時代の幕開けとして築城。織田信長が亡くなったとされる本能寺の変後、安土城は焼失して石垣だけが残っていた。


二人は駅周辺で昼食を済ました後、田園に囲まれた道を歩く。どちらからともなく指を絡ませ、恋人繋ぎ。

ひまりは自分の履いていたペタンコのブーツに視線を落として「安土城跡……」と、口を開く。



「何年振りかな?小学校ぐらいの時に一回来たよね?」

「確か、高学年の時。夏休みの自由研究で来た以来」

「家康って、本当に凄いね!」


家康のずば抜けた記憶力に、
ひまりは心底、関心する。


「ひまりが、単に忘れっぽいだけ……それより、何で安土城跡に来たかったわけ?」



春には桜が見頃になるが、今は秋。
国の史跡に指定され有名とはいえ、高校生がデート場所に選ぶのは珍しい。しかも毎日通う学園から、そう遠くない場所。


家康が横を向いてそう聞くと、ひまりは明るい表情を一変して、ひたむきな表情を浮かべ……



「……気になったの。二人は、どんな風に過ごしてたのかな……って」


「え……。二人……って。もしかして」


「あ!あそこだよね?どうする?西?東虎口から入る??」



また元のように笑い、尋ねながら家康の手を強く握る「俺はどっちでも……」その返事を聞いて、「ならあっち!」指をさしながら、待ちきれないというように、そそくさと足を早める。


「早く!早く!」


ひまりが言う「二人」
それは、家康にも誰を指しているのかは、分かった。しかし、何故か、上手くはぐらかされたような気がして……眉を一瞬、寄せたが、すぐに戻す。



中に入ろうとした瞬間。

言葉では言い表せれない、
不思議な感覚。

それを、
感じ取ったからだった。




/ 1793ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp