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イケメン戦国〜天邪鬼と学園生活〜

第208章 『デートって何?』中編




ギィギィ……



「ふふっ。小さな魚がいっぱい〜〜可愛い〜〜」



水面に手をつけて、はしゃぐ横顔。
細いフォルムの銀色の丸めがね。それが、俯いた拍子に少し下がる。



(……かなりツボかも)



家康はその横顔を、自分もかけている伊達メガネ越しで、静かに見つめる。


「丸めがね」は、オシャレ好きの女子には必見アイテム。ちょっと、個性的で人によって似合う似合わないが、両極端に分かれやすいが……


ひまりは、間違いなく似合うほう。ずり下がったことで、大きな瞳が半分ぐらい覗き、守ってあげたくなるような素朴な雰囲気に、家康はツボにはまっていた。


今日の服装にも、
丸めがねは良く合う。


フードを深く被り直した家康。幸村の視界に入らない近くで、モールを漕ぐのを止め、手を休めた。


幸村と話す女の顔を見て、
ひまりにある事を話す。



「え?あの子、マネージャーなの?」


「多分。夏の大会で、チラッとだけ見た。幸村がそう呼んで、試合のトーナメント表を貰ってたから」


「マネージャーさんかぁ〜ウチにはいないもんね」



春日山高校とは違い、戦国学園はマネージャーはいない。雑用仕事などは、基本、後輩が交代で受け持つ。自分の事は自分で成る可く行う。その指導方針が強く、マネージャーをおかない理由の一つ。



ひまりは、
ふとある事を思い……


「デートって。何か不思議だね」



水面を指で救いながら、
ぽつりと呟く。



「……何?急に」



「だって、デートって。恋人同士じゃなくても、するでしょ?」



「まぁ……。そうだけど」



家康はひまりが言った「不思議」の意味は、わからなかったが……現に自分達も、付き合う前から一般的にデートと呼ばれるものはしていた。




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