第207章 『デートって何?』
パチッ!
「ねえ!私達も湖に行こう!」
「は?湖って……ちょっ」
「きっとあの二人ボートに乗りに行ったんだよ!私も、乗りたい!その後に、安土城跡を回っても充分、時間あるから!」
後ろ向きに歩きながら、
家康の手をグイグイッ!引っ張る。
「同じ場所に行ったら、向こうも迷惑。それに今日は、ひまりとゆっくり……」
「そっかぁ……。幸の邪魔は良くないから……そうだ!変装グッズ買ってから行こう?」
「肝心なとこだけ、聞いてないし」
駅前にある、
雑貨屋さんに向かって歩き出す。
「ボートって。確か、昔に乗らなかった?」
「あの時は、スワンボートだったもん!手漕ぎボートは、まだ乗ったことないから……」
家康と乗りたい。
だめ??
進めていた足を止めて、
お願いをすると……
家康は声を詰まらせて、
目線だけ横に向ける。
そして、
少ししてから肩を下ろして、
溜息を吐くと……
「……はぁ。わかった」
俺の負け。
顔は拗ねてても、声は優しい。
「よし!変装バッチリ!」
私はニット帽と丸メガネ購入。
「フード被って、伊達メガネ。完全に不審者なんだけど」
家康の伊達メガネに、
ちょっとドキドキしながら……
湖公園に向かった。