第207章 『デートって何?』
デート前日__
風呂上がり。ミネラルウォーターを一口飲んで、机に置く。それから、クローゼットを開けるだけ開けて、顎に手を添えた。
(コートは、まだ暑い。でも、夕方になると意外と寒いしこの時期)
後、ひまりが寒がった時も想定しないと……と、なると必然的に上着はパーカーのが良いかも。羽織やすいし、フード被ったとことか見たい……かも。
ーーふふっ。大っきいから。被ったら、前が見えないよ〜〜。
フードも裾もだぼだぼ。
(……想像だけで可愛い)
貸す前提で考えて、グレーのパーカー取り出す。パーカーでガキっぽくならないように……
「歩くから、ある程度ラクな格好のが……でも、ひまり前にシャツ着てるとこ格好良いって言ってたし……」
俺はブツブツ独り言いって、クローゼットから、ワンウォッシュの濃紺色のジーパンと、白の胸ポケット付いた無地のロンT、腰巻用に黒シャツ出して、ソファの上に置くと、携帯の着信音が鳴った。
「……何?」
「夜分にすいません。先程、時先輩と電話で話していたのですが、家康先輩はツンデレ?だと、仰っていたので気になってしまいまして」
「……はぁ…。だから?」
「どういう意味なのか、教えて頂きたくて。折角なので、ご本人に」
「……とりあえず、これがツン」
プツッ。
それだけ言って、切る。
相手してらんない。
俺は、三成が折り返してくる前にひまりに電話をかけたが……
(……出ないか。まぁ、いつも通り五分前に迎えに行けば)
問題ないか。