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イケメン戦国〜天邪鬼と学園生活〜

第204章 天邪鬼の愛〜聴色〜(8)




廊下から聞こえた足音。


ハッとして瞳を開ければ……


キス寸前の距離。



バチッ!!



家康も、
驚いたように目を見開くのが、見えて……



(この高さだと見えちゃう!!)



中断しようと、


腕を突っ張ろうとした時。




唇に……




「んっ………」



溶けそうな熱が広がる。



それから、すぐに……




ふわっと身体が宙に浮いて……





膝裏に手が回る。




足音は教室前で止まって。




「悪い。教室に忘れもんしたから、取ってくるわ」


「ここで、待ってるから取ってこいよ」




ガラガラッ……。





「確か、席の横に……ん?徳川の席に何か……」




近づいてくる足音。



ドキドキドキ……



心臓の音が聞こえないように、ぎゅっと胸の前で腕を交差させる。



すると、




「……そんなに、ドキドキする?」




掠れた小声。
まだ、口の中に残る甘いチョコ。
囁かれた声も同じぐらい、甘くて……


狭い教卓の中で、視線が絡む。




ペラッ。



「ポッキーと、何だコレ?……名前だけしか書いてねえし」




その声を聞けば状況が解る。
クラスの子が、机の上に広げたコピー用紙を、見ている事を。



「おい。まだかよ?」


「おっ!今、行く……。ったく」





あの二人。
婚姻届でも、書くつもりか?




その言葉を聞いて……
さすがに家康もキスを止めて……



ゴッ!!



「おい。今、何か黒板あたりから鈍い音。聞こえなかったか?」


「こえーっ、こと言うなよ。誰もいなかったぜ」





頭を軽く押さえる家康。


「っ!!」


私は、それに笑いそうになる。


「ぷっ!」




二人で人差し指を立てて、




「「しー………」」



笑いながら、

お互いの唇にあてた。




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