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イケメン戦国〜天邪鬼と学園生活〜

第42章 「恋の和歌集(6)信長様編」




「いい加減、ご機嫌ナナメな理由教えてよ」

痺れを切らした私は頬を膨らませ、シャツを引っ張る。


「教えたら、俺もひまりにキスして良い?」

「なっ///何で、そうなるの!?///」


家康は急に至近距離まで顔を近づけ
、私の腰に手を回す。


「そしたら、機嫌治るかも」

「さっきからキスって言ってるけど……」


アレはちょっと違う。
そう言いかけた時、赤い車がバス停の前で止まる。



「貴様ら、テスト期間中に余裕だな」

「げっ!!」

「先生!!」



私は慌てて、家康から離れる。

すると、先生はハンドルを握った手をクイクイと後ろに向け、一言乗れ。とだけ低い声で呟いた。

私はお言葉に甘え、嫌がる家康のシャツを掴み車内に乗り込む。


「すいません。このままだと、家康風邪引いちゃうから」

「気にするな。後でたっぷり礼は貰ってやる」

「絶対、やだし」

「ならば、ひまりから貴様の分も頂くとしよう」


先生は学校外では私のことを苗字じゃなくて、名前で呼ぶ。最近それに、やっと慣れた頃。
家康はそれなら俺が全部する。と、ボソッと言ってシートに背中を預けた。


私は先生に、さっきの女性のことを聞こうか一瞬悩んだけど……


(プライベートな事だし、聞くのは失礼だよね)


興味はちょっとあるけど。
家康もムスッとして口を閉ざしてる所を見る限り、聞くつもりはないみたい。


私は高級車の座り心地の良いシートに身体を預け、目を閉じる。


(ちょっとだけ……)


昨夜からテスト勉強で睡眠を削っていた私は、いつの間にか夢の中に入り込んでいて……。


「貴様が居なければ、確実に食していたな」

「教師が問題発言、しないでくれる?」

「……肩書きなど関係ない。一人の俺として、初々しい反応には、興味がある」

「俺が頂く予定。誰にも渡す気ないから」

「クッ。……威勢だけは褒めてやる」





しかし、

貴様だけではないぞ?


そう思っておるのは。



車の揺れ具合がちょうど良くて、



「……だから、必死なんだし」



唇が少しだけ、擽ったかった。


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