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イケメン戦国〜天邪鬼と学園生活〜

第203章 天邪鬼の愛〜聴色〜(7)




足音に気をつけて……


シャッ。


カーテンを少しだけ開ける。
中を覗き込むようにして、ベットに視線を向ければ、私の方にゴロンッと寝返りを打って、眠り続ける天使。



「すぅー……」



(…まだ、寝てるじゃない。……って、なに!ガッカリして!)



自然と肩を落とす自分がいて、中に入りかけた身体を引っ込めようとした時。




「…と、き先輩…」


ドキッ。



名前を呼ばれて、跳ねる鼓動。

一瞬、気がついたのかと思ったけど……瞼はまだ、閉じたまま。

そっと、近づいて……


パイプ椅子には座らず、ベッドサイドまで移動して、しゃがみ込む。

さっきより、間近で見る天使の寝顔。

遊園地の時も見たけど、あの時は沢山周りにも人が居て騒がしかったから、ゆっくり見れなかったけど……



(綺麗な顔……)



人気があるのも納得。

徳川くんの次は三成くんなんて……皆んなからは、ただの面食いってお小言を言われても言い返せないけど。

基本、年下が好き。
自分でも理由は、分からないけど。



(そもそも、初恋は三成くんだったしね)



小学校の時に通っていた塾。

教え方が上手いって、評判の先生だった。でも、私の家からは遠くて車で送り迎えして貰ってた。
ちょうど二学年下の三成くんとは入れ違いの時間帯。……建物の下で、迎えにくるのを待っていたら……


歩いてくる一つの影。



ーー我輩は猫である、名前はまだない。……えっと〜。では、我輩が苗字で、猫が名前どうですか?



ふわふわした足つきで、
前なんか全然見てなくて。



ゴンッ!


ゴンッ!



頭とか、腕とか、打つかってるのに知らん顔して本を読み続ける……三成くんの第一印象は、不思議な男の子だった。



「クスクスッ……」



(今日は、走ってたからさすがにダメージが大きかったみたいね)



つい、思い出し笑い。
その声で起こしたら悪いから……
膝をゆっくり伸ばして、立ち上がった時。



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