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イケメン戦国〜天邪鬼と学園生活〜

第201章 天邪鬼の愛〜聴色〜(5)




男子は一斉にスタートして、グランドを一周を走った後、校門に向かう。

マラソンコースは校門を出て、建物で全くというほど見えないが……方角的には安土山がある方へと走り、ポイントで折り返して校内に戻る。男子はそれを二回。女子は一回。

男子の最後尾の生徒が、外のコースを出たタイミングを見計らい、光秀は、ひまりに近づき……


「体調は良いのか?」

「へ??」


声を掛けた。

それに驚き、間抜けな声を出すひまり。まさか自分の周期を把握されているとは知らず、何故、光秀が体調を気遣ってくれたのかと、キョトンとした顔を見せた。


「顔色があまり良くなさそうだ。それに、腹部を押さえていなかったか?」

「ちょっとだけ、痛みが……でも、大丈夫ですから」


それとない理由を述べ、気遣う光秀。

ひまりは、ズキズキと重い痛みを薄っすら感じ取ってはいたが……事前に飲んだ薬がそろそろ効いてくる頃だと思い、光秀に礼だけ告げる。

普段から頑張り屋で、変な所に真面目なひまり。出来れば、学校行事は参加したい意思が強い。ギリギリまで体調を見て、悩んでいたがゆっくり走れば問題なさそうだと思い、参加することに。



(顔色は少し悪いが。本人に休む気がないのなら、仕方ない)



光秀はひまりの表情を見て、
そう判断を下す。

あまりにも悪い場合は、保健教員として、ストップをかけるつもりでいたが……


血の気がないほど青ざめている。
そんな、レベルではない。


同じ状況で、見学している女子は既に数人いたが……光秀は、くれぐれも無理をしないようにだけ告げ、


「迷惑をかけてからでは、元もこうも無い。しっかり、自分のペースで参加しろ」


「はい!ありがとうございます」


体調が悪くなった場合は、コースに立っている教員に声を掛けるなりしろと伝え、ひまりの頭を軽く撫でると光秀は、仮設テントの下に移動した。



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