• テキストサイズ

イケメン戦国〜天邪鬼と学園生活〜

第200章 天邪鬼の愛〜聴色〜(4)




でも、不安になるのは……

大好きだから。
ずっと、一緒にいたいから。

心のバランスが、
上手く取れなくても……

その想いだけは、変わらなくて……
少しも傾いたり、揺れたりしないって事も、ちゃんと分かった。


(きっと、またこんな日が……)


あるかもかしれない。
その度に、二人で何か見つけていこうね。


唇が離れても、
甘く絡んだ視線は離れない。


「ひまり」


顔の傾き向きを変える瞬間……
家康は、男の子じゃなくて男の人に変わる。

整った顔が、
真剣さと熱に帯びて……


(もっと、好きになっちゃう)


力が抜けそうなぐらい……

何回もキスをして、
私は家康の胸の中に寄りかかる。



「……ごめん。身体、冷やしたかも」


「ううん。あったかいよ。少しも寒くない……」



優しいね。
そう、ポツリと呟くと……

耳にドキッ。って、音が聴こえて……
少しだけ、ほんの少しだけ体が動くのが分かって……


(ふふっ。きっと、そっぽ向いてる)


何、笑ってるの?

そんな頭上が降りて来た言葉に、クスクス胸の中で笑ってから……



「何でもなぁ〜い」



頬っぺた、引っ張られるといけないから。ピトッ。っと、隙間ないぐらいくっ付くと……



「色々、学習したみたいだけど」


腰に回ってた腕が動いて……


「きゃぁ!……く、すぐっ……や、や、ご、ごめん…な……っ…」

「頬っぺた。触らせなかった罰」

「もう!お返しっ」

「は?……ちょ、こらっ!そ、こは……やっ、め……」



抱き合ったまま
擽り合いをしていると……
ふと人の気配を感じて……



「コホンッ!!!」



聞こえた、大きな咳払い。



「「!!!!」」


「仲良く擽り合いかい?中々、健全なお付き合いだね?」



頬を引きつったお父さんが、帰宅。
パッと私達は体を離すと、



「「も、もちろん(です)!!」」



背筋を伸ばした。




そんな私達の近くに……
もう一つ。


(…………)


潜んで居た気配には、
全く気づくことなく……




/ 1793ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp