第199章 天邪鬼の愛〜聴色〜(3)※家康様side
いつの間にか、
話は打って変わり……
「今日は、珍しくひまりと戯れていなかったな?」
「クッ。もう飽きられたのか?」
(……ほんと、余計なお世話)
監視されてるみたいで、不快だけど。ここを下手に答えると、後々、厄介なことになり兼ねない。そう思い……
「気のせいじゃないですか?……いつも通りですけど」
しれっと否定する。
ただキスしてないだけ。
別に喧嘩した訳でもない。
「一つ忠告しといてやる。愛情は押し付けるものでは……ないぞ?」
「……別に押し付けていません」
俺は即答。
ただ、可愛くて。
触りたくて。
大事にしたくて。
誰にも触らせたくないだけ。
「男は愛情の中に、下心、独占欲が少なからず入る。その点、女は心を一番に優先する傾向があるから、な」
心を読まれた気がして、
俺は視線を思わず逸らす。
「クッ。まだ、お前には理解は出来ないだろうが、同じ気持ちでいて欲しいと望む。……それに女は、心が大なり小なり乱れる周期がある」
また肩を叩かれ、明智先生は「医者志望なら、心得てやれ」そう、耳打ち。
新月の今夜。そろそろ、ひまりがその周期なはず。とか、余計な一言まで。大体、何でそんな事を知ってるのか……そっちの理由のが気になる。
「クッ。俺は保健教員だからな」
俺は、
納得のいかない顔を浮かべながら……
「……失礼します」
職員室を後にした。