第40章 「恋の和歌集(4)三成様編」
(あっ!家康だ!!)
時刻は6時。
あれ?確かテスト期間は夕方の5時からだよね?始まるには遅いし、終わるには早いし??
どうしたんだろう?
気になって車窓からジッと見ていると、家康が携帯を取り出し、手を動すのが見えた……
数秒後。
ブッブッ……
私の携帯が振動する。
『今どこ?予備校、豪雨で急遽早く終わった。傘あるから、迎えに行く』
『ふふっ。知ってる!緑色の傘でしょ!(笑)バスで駅まで向かってる所だよ?』
雨音と同じぐらい音を出して、
ゆっくりと発車するバス。
家康が携帯の画面を見た後、
顔を上げるのが見えて……
「三成君!家康が……ね…」
振り返った先に、三成君の
唇が目の前にあって……
ピロンッ。
『……傘、一本しかないから。
三成に言っといて。
降りたら、覚悟しとけって』