第197章 天邪鬼の愛〜聴色〜(1)
すっかり、恋話モード。
「徳川くん、恋愛とか無関心そうなのに、ひまりには、凄いよね!」
「そうそう!うちらには、眉ひとつピクリとも動かさないのにさぁ〜」
「そう言えば、……もうすぐ、付き合って一ヶ月経つ頃じゃない?」
「え?///う〜んと…今週の土曜日かな?」
確か、私が告白した日付からだと。
まだ恥ずかしさを残しながら、俯いていた顔を上げ、そう答えると……
付き合って、一ヶ月。
記念に何かしないの?って聞かれて、え?何かするものなの?と、逆に聞き返すと……「あのね〜……」隣でゆっちゃんが、ため息を一つ。
両手を顔の横に少し上げるのが見えて、首をかしげると……
「ひまり!!」
突然、肩をガシッ!と掴まれ……
「彼氏いない歴、十七年目に突入!した……私が言うのも何だけど。付き合って一ヶ月は大事!」
ゆっちゃんは、
鼻息を荒くして興奮気味に話を始めて……
「付き合い始めの初々しさ新鮮さ!ラブラブ時期!浮き立つ心、どっぷりの二人の世界!まさに恋の盲目状態!それが少しずつ……」
一ヶ月経つと、
一緒にいる事が当たり前になってきたり、相手にドキドキを感じることが減ったりする第一倦怠期がきやすいからって……息継ぎも忘れるぐらい、凄い早口で力説。
「だからこそ、盛り上がる記念日は大事!!」
最後に真剣な顔で、少女漫画や青春ドラマにもあながちな、定番のあるあるだから!と、うんうん頷いてて……
私はただ、
目を白黒してその様子を見ていると。
「ちゃんと、聞いてる?」
「う、うん!で、でも私と家康は幼馴染でずっと一緒にいるから、そんなのはなさそうかなって?」
付き合う前から、当たり前みたいに一緒にいた私達。だから、付き合いの長いカップルによく聞く倦怠期は無縁なのかな?と、思って、そう言うと……