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イケメン戦国〜天邪鬼と学園生活〜

第197章 天邪鬼の愛〜聴色〜(1)




『キス禁止令』の発端は……
四限目の、体育の時間。

マラソン大会の試走を終えた、女子は
グランドの端っこで集まり、授業が終わるまで休憩兼、待機していた時のこと。


「ねぇ!ねぇ!昨日、私服姿のイケメンくん発見したんだけど!」

「前髪で片目だけ隠れてたけどさ!」


昨日、運動場で部活をしていた陸上部の子が、近くで盛り上がっていたのを小耳に挟み……


「イケメン!!」


情報通のゆっちゃんがその話に飛びついた。相変わらずミーハーなゆっちゃん。私の腕を引っ張ってその子達の方にグイグイ接近。

何でも、好きな人とそうゆうのは別みたい。恋愛感情は一切なしで「イケメン」の四文字には敏感らしく……


「ふふっ。政宗はいいの?」

「いいも何も。好きな人がいくら格好良くても、素直に言えないからね!イケメンはイケメン」


芸能人の感覚に近いみたい。


私は、そんなゆっちゃんにはにかみ。昨日、その人を見たことを告げる。


「え?ひまり、見たの?」

「見たっていうか、職員室から昇降口に向かってる途中で、その人とぶつかっちゃって」


そう答えると陸部の子らが、


「ってか、徳川くんに似てなかった!?」

「あ!それ、私も思った!前に一回。伊達くんにホースで水をかけられた、徳川くんを見たことがあって!」


その人の顔立ちが髪色は違うけど、水に濡れて猫っ毛がペシャンコなった時の家康に似てたって……話した後。

なぜか話題が、ちょっとだけ逸れて……


「校内でもキスしちゃうぐらい〜ラブラブ中の彼女さんから見てどうだった?」

「毎日、彼氏を間近で見て。そのイケメンとは、ぶつかるぐらい、至近距離で見たんでしょ〜?」

「へっ///に、似てなかったよ!ってか、ま、待ってキ、キス……って、もしかして……///」


見られて……

消え入りそうな声で、そう聞くとゆっちゃんが私の肩に手を置く。



「アレだけしてたら、皆んな。一回は
、最低でも見てるに決まってるじゃん」



もう、穴があったら入りたい。
沸騰しそうなぐらい顔が熱くなって、
両頬を押えながら俯いた。


それから、この後……
すっかり、その話題に変わっていて……




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