第193章 〜おまけエピソード〜(4)
着るつもりなら、
こんな所に置かないよね??
そう思い、頭に左右に傾けながら考えていると、白い布がチラッと折りたたまれた隙間から見えて……
ん??
パーカーを広げれば、ハラリと床に落ちる白いショーツ。
何でこんな所に……?
???
……………も、…もしかして!!///
ある想像が脳裏を掠めた時。
ガチャッ!
部屋の扉が開く。
咄嗟に反応して振り返れば、
「あ。起きてる。…………しかも…」
「しかも??」
スッと、上から下に動く家康の視線。
私も同じように動かす。
「きゃぁぁ!」
慌てて、手に持っていたパーカーで身体を隠すと……
「かなり良い眺め…………っ!…ちょっ!いきなり、枕!投げないでくれる」
臆面もなく恥ずかしいことを言う、家康の顔面に向けて枕を投げた。
持ち前の運動神経で、呆気なくかわされちゃったけど。
恥ずかしさで目をぎゅっと閉じて、
「ばか!///家康の!んぐっ!!」
エッチ!と叫ぶつもりが、いつの間にか家康が背後に立っていて、私の口を塞ぐ。
「こら。あんま大声出すと、普通に下に……」
耳元で囁かれた声と、密着した体にドキッと胸が跳ねるのと一緒に、
「ひまりちゃーん!もしかして、ゴキちゃんでも出た〜〜?」
おばさんの声が階段の下から聞こえる。私があの黒いカサカサ動く生き物が大嫌いなのを、知っているおばさん。
さっきの悲鳴で、勘違いさせちゃったみたいで……
んぐんぐっとくぐもった声で「大丈夫!」と、自分では返事してるつもりなんだけど……
「大丈夫。俺が今から、倒すから」
家康が代わりに返事をして、おばさんの気配が階段下から消える。すると、口元を塞いでいた手が離れ……「倒すじゃなくて、押し倒すの間違いかも」とクスリと笑い、揶揄って私の反応を楽しんでくる。
顔だけ後ろに向けて、
キッと強気で睨むと……
「その顔も可愛いから、効果なし」
家康はそう言って、
チュッ。と、触れるだけのキスをした。