第193章 〜おまけエピソード〜(4)
不思議な夢を見た気がして……
瞼をゆっくり持ち上げる。
その頃には……
夢の中の映像は、
一つも残らず消えていた。
(あれ、……私の部屋じゃ…)
身体を覆う、
肌触りの良い柔らかい布団。
そこから香る爽やかで、
優しくて、胸のすく香り。
……家康の匂い。
目を擦りながら上体を起こせば、しわくちゃになった真っ白なシーツが、教えてくれる。
(も、もしかして、あのまま寝ちゃたの///)
頬に熱が集まり鮮明に思い出す、このベッドでの情事ごと。そして、ズッシリ重い腰が語る。気を失うぐらい、激しかったのことを。
普段、平然とした家康からは想像も付かないような……情熱的な一面。今日は、本当に別人かと思うぐらい……
(ハジメテの時はいっぱい、いっぱいで、でも遊園地の時もそうでっ///)
きっと、今の私の顔は真っ赤。
鏡を見なくても、わかる。
それぐらい頬は熱くて、
誰もいないのに両手を添えて……
(ど、どうしよう///変なことしたり、言ったりしてないかな///)
覚えてはいるけど、
途中から意識が朦朧として……
自分であって、自分じゃないような。
そんな行動や言葉を口走ってしまった気がして、不安になったり、慌てたり。
私は一人百面相して、あれこれ考えてる内に……大事なことを思い出す。真っ先に、部屋に掛けてある時計を見て……見た瞬間、勢い良くベットから下りた。
そして、急いで下着と服を探す。
ベットの上には自分が脱いで置いた、ニットのワンピースとブラジャー。
ショーツがない!
記憶を辿り、ズッシリと重い腰を支え、ガクガクとフラつく脚を動かして、ソファに行こうとした時。
下に、家康のパーカーが置いてあるのに気づく。
前に雨に濡れた時に、
貸して貰ったグレーのパーカー。
それが
キチンと畳まれた状態で、
置いてあって……
首を傾げる。