第192章 〜おまけエピソード(3)〜※R18
一気に突き上げた瞬間。
ギシッとスプリングが大きく弾み、
それに合わせたように、目の前の裸体が弓なりにのけぞった。
それだけで軽くイッたのか、
「……っ…はぁ、はぁ、…」
ひまりは、脱力したように、はぁ、はぁ、と荒い息を立てる。
瞳からぽろぽろと涙を流し、繋いでいない方の手を俺の腕に絡ませ……
「っ、く……も、ぅ…こ、われち…ゃう………」
儚げに虚ろな瞳を閉じた。
幾度も絶頂を迎えた所為か、痙攣を起こして、華奢な肩を上下させる。
そんなひまりを守ってあげたくて、繋がったまま抱き起こすと、膝の上に跨らせ……
壊れるギリギリまで強く抱き締めた。
(ごめん。止まんない)
大事にしたい。
もう二度と傷つけたくない。
空港で流した涙の理由。
ひまりは、
少しも話さなかったけど……
(心の傷は、完全には消えない)
俺が付けた傷も。
あの涙には含まれていたはず
頬に光る雫を、指で救い……
「もう傷つけて、泣かせたくない。だけど、…泣き顔は…好きかも」
チュッ。と、
軽めの音を立て、瞼の近くにキス。
「……も、しかして、…私が空港で泣い…た、から……」
気に…して、くれてたの……?
ふにゃりと表情を崩すひまり。
俺は返事の代わりに頬を緩め、
軽くキスを落としてから……
「……動くよ?」
余裕もない癖に確認する。
鼻先が擦れるぐらい近くにいる、ひまり。溶けそうなほど熱い視線を送り、コクリと首を落として……
「大好き…だ、よ…」
俺の頬に両手を添える。
「……俺も」
夢中になって、
溺れるぐらい……好きだから。
ひまりは頬を染めて微笑むと、
腕を俺の首元に絡ませる。
それが、動いて良いと言う。
返事だった。