第39章 「恋の和歌集(3)三成様編」三成様side
「1052年に造営された平等院鳳凰堂は、誰によって造られましたか?」
「えっと、確か……」
頭をそっと撫でながら、髪を一房掴む。花の香りが充満し、それだけで私の身体は熱を帯びる。
「な、なんか逆に集中出来ないっ///」
「答えた時点で止めますから」
「ふじ、わらの…頼通?」
正解です。では、次は……問題を出した後、今度は肩に触れる。
ブレザーの中に手を入れ、薄いブラウスの上から指を滑らせると、ピクッと肩を揺らしひまり先輩は、私を見た。
「三成君……あ、あの///ほんとにこんなんで覚えれ…るの?」
「はい。頭と身体は連動してますから。あと、そんな顔されては……次は、何処に触れるか分かりませんよ?」
段々、私の手は柔らかい感触を求め出し曝けだされた太腿に向かう。
しっとりとした肌に吸い付かれるように、撫で回すと
「んっ……」
途端に漏れる吐息。
はぁ……。
駄目ですね。
今すぐ食べてしまいたい。
中学の時、私はずっと年下なのを気にしていて……
貴方が可愛いと言って、抱き着いて下さる度に私は男としての芽生えが生まれていき……
どれぐらい、恋がれていたか。
(今では、頭から片時も離れない)
気づいてますか?
家康先輩の話をする時の貴方が、世の女性が嫉妬してしまう程、美しくて、儚げで、愛くるしいか。
私がその姿を見る度に、黒いモノを吐き出しそうになっているのかを。
「三成君、こ、こはだめっ……」
「なら、答えて下さい。もう一度、問題を言いますから」
「だ、って解らない」
ひまり先輩は、必死に両手を組み胸元を覆い隠す。
(楽しみに、とっておいたのですが)
耳朶にカリッと歯を立て、
「仕方ないですね。でしたら、問題を変えさせて頂きます」
私は囁く。
彼女にとって恐らく、難題の問題を……。