第39章 「恋の和歌集(3)三成様編」三成様side
背の高い本棚が立ち並んだ、奥の一角にひまり先輩を連れて行く。
人目がないことを確認し、
窓辺の下にある背の低い本棚の上に、座らせた。
本独特の匂いは私の心を落ち着かせ、私の名を切なげに呼ぶ目の前の彼女は、私の心をかき乱せる。
眼鏡を指で覆いながら、両端をクイッと持ち上げ……
ひまり先輩の小柄な身体を、両手をつき覆い被さるようにして、
「問題出しますので、答えて下さい。ただし……」
考えてる間は……身体に触れさせて頂きます。
私がそう顔を近づけ囁けば、困惑したように顔を上げるひまり先輩。
(堪らなく興奮します。貴方が、怯えれば怯えるほど……)
自身の中に流れたドロドロとしたモノを隠し、笑顔を浮かべて見せるとひまり先輩は安心したように、解った。と頷かれ……
「擽るのは止めてね?」
「お約束します。……では、頭から触れていきますね」
油断させる為、最初はそれとない所を選び私はテスト範囲の問題を出す。