第192章 〜おまけエピソード(3)〜※R18
一通り型を見た後。
横から見れるように、ソファに座る。
「良くなったから。射……やって見て」
コクッと、ひまりは一つ首を落とすと、胴作りから始める。
腰を開いた足の上に安定させて、左右の肩を沈め、脊柱と項を真っ直ぐに伸ばして全体の中心を腰の中央に。
呼吸を整え、弓構え。
(……変な目で見てるつもりないけど)
その立ち姿に、ゾクゾクしてくる。
俺はソファの上で片膝を曲げて、肩肘をそこに置き、顎を乗せて真っ直ぐにひまりの横顔を……
見つめる、瞬き一つ落とさず。
打起こしから、
ゆっくり引き分けの動作。
研ぎ澄ました一瞬。
張り詰めた一瞬。
真剣な横顔。
射る前の一瞬、微かに震える肩……
(弓道してる時で、この瞬間のひまりが。……一番好きかも)
聴こえるはずない、
弓音まで幻聴として届いて。
(……っ!)
俺は胸が高鳴った。
「あ……今……。何か……!」
ひまりは驚いたように目を開いて、くるっとソファに座る俺の方を向く。
「かなり良いんじゃない。イメージ大分出来て………っ!」
「ありがとう!何か!凄かったぁ!」
よっぽど嬉しかったのか、いきなりソファに座る俺に飛び付いて来て、ぎゅうぎゅう首に腕を回すひまり。
柔らかい感触が、薄手のカットソー越しにあたって……
「ちょっ///お願いだからっ不意は止めてくれない///」
息を呑むぐらい綺麗かと思ったら、急に可愛くなるし、無意識で胸は押し付けてくるし。
俺の理性は、すぐに崩壊。
「だって、最近ずっと悩んでたんだもん!でも、大会控えてる家康に手間とらせちゃだめかな?って相談しようか迷ってて!」
ありがとう!
人の膝の上に乗って、無邪気に笑うひまり。一番の問題は、俺の視線の角度だと……胸元が普通に見えてるトコ。