第192章 〜おまけエピソード(3)〜※R18
ゴクッと喉がなる。
その動作と仕草に、
胸の動悸が、みるみる高まるのを自覚。
(何する……って…)
予定が狂ってもある程度、普段から柔軟に対応は出来るようにしてある。それに感情が大きく揺れても、しれっとすぐに戻せる自信もある。
だけど、
ひまりに関してだけは、例外。
ただじっー。と、俺を見て、返事を待つ姿に思考なんてまともに働かない。
服の裾を掴む手を引いて、
「……何したいの?」
ひまりを抱き締めながら、聞く。
心臓ばくばく言ってんの、聞かれたくなかったけど。こんな可愛いことされたら、無理。
本音は今すぐ、抱きたい。
けど、空港であれだけ泣いてるの見たら……いきなり、押し倒すわけにはいかないと思って、こっちは色々我慢してんのに。
「も、もし……よ、予定がないなら…そ、の……久しぶり…だ、から///…」
腕の中でもぞもぞ動いて言いにくそうに、赤面するひまり。
普通の女が同じことを言えば、あざとく思う台詞。
態とらしい仕草。
なのに、
ひまりがして言えば、
ドクンッと大きく期待が鳴る。
(まさか、誘って……)
さんざん、今まで無自覚に振り回されてきたけど。
「久しぶりに、何?」
潤んだ桜色の唇に触れる。
今度は俺が、ひまりに催促。
指の裏でスッと焦らすように、なぞれば固く閉じた口から吐息が溢れた。
「家康に…。ちゃんと、見、て欲しいの」
ひまりは、
頬にかかる髪を耳にかけて、
甘い香りと甘い声で誘う。
その言葉の続きを聞いて、
俺は息が詰まるほど驚いた。