第192章 〜おまけエピソード(3)〜※R18
大きめなのか。
普通サイズでも、華奢だからそうなるのか……
「きっと、可愛いだろうなぁ〜」
ニットワンピから片方だけ、肩を覗かせながら、ふふっ。と、笑い声を袖から漏らす姿に、思わず視線を外す。
(このまま、見てたら何するか自分でも。ほんと、分かんない)
この状況に、
徐々に上がり始めた心拍数。
さっきまで、パーカー羽織ってたからそこまで気にならなかったとは言え、
こんな格好……。
外だったら、間違いなく俺は不機嫌。
(でも、やっぱ見たい)
それとなく、
身体を横に向ければ……
片方の手だけ下ろして、キョトンと首を傾げるひまり。
ふわふわして、
ゆるっとした感じが小動物みたいで……
「???さっきから、どうしたの?」
(……っと。可愛すぎ///)
ぎゅうぎゅうに、抱き締めたくなる。
普段なら迷わずここで抱き締める所を、グッと堪えて……
やばいぐらい緩みそうな顔を、必死に強張らせ平静を装う。ちょっとでも、心を落ち着かせようと腕時計を外し……
「多分、五時には帰ってくる」
テーブルの上に静かに置く。
家の夕飯は基本、八時前。遅くても六時には帰るはず。栗ご飯なら時間掛かるだろうから、それぐらいには帰ってくると伝える。
「そっかぁ…」
ひまりはそう小さく呟くと、リビングの掛け時計を一瞬見て、また俺の方に身体を向けたかと思えば……
そわそわして、
チラッ。
長い睫毛を、持ち上げ…
手を伸ばす。
クイックイッ…。
「なら、待っている間……何する?」
ドキッ。
この何かを試されているような状況に、もう心臓が持ちそうにない。