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イケメン戦国〜天邪鬼と学園生活〜

第190章 〜おまけエピソード(1)〜




頭上で満ち欠けを繰り返す、月。
どこか神秘的な雰囲気を持った、不思議な存在。

今夜は新月。

月全体が輝いている満月とは、正反対に、空から姿を消したように見える月。

小さな星の光では頼りない、真っ暗な夜空を、窓から見上げ完成した武運の守りを握り、


(明後日には、私。家康のお嫁さんになるんだ……)


仕立て終わった羽織を、胸に抱いた。

明日の朝、ここに迎えに来て貰う予定。
祝言を挙げるのは明後日。

あの偉大な歴史人物。
徳川家康のお嫁さんに自分がなるなんて、未だに夢のよう。

佐助くんにワームホールは消滅したと聞いても、まだやっぱり不安で……未来から持って来た物を昨日、処分した。携帯とかこの時代から後に発見されて、大きく歴史が変わるのは避けたかった。


(でも……こっちの物を、未来に置いてきちゃった)


着物だし、大した影響はない気がするけど……でも、家康の武運のお守りはあの着物の端切れで、作った物。

平和な世界と繋がってるなら、尚更ご利益あるって笑ってくれたけど……。繋がって、また強制的に戻されたりしないだろうか。

それに自分がここに来た事で、どんな風に未来が変わり、影響するのか。

悶々とそんな悩みだけが、湧いてくる。


「何か変なマリッジブルーに、なってきちゃった。……新月で月明かりがなくて、真っ暗だからかな?」


憂鬱になりかけた時。


新月は目標を立てたり、願い事をするのに最適だと何かで聞いたのを思い出した私は……


筆を取って、願い事を書いた。


なりますように、お願いします。
そんな願い事ではなくて……


過去の自分、今の自分、未来の自分。

どの時の私にも、届いて欲しい。
私がどこに居ても、届けて欲しい。



そう、願いを込めて、
一番伝えたい言葉を……



一枚の紙に綴った。



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