第188章 〜後日談〜Halloweenイタズラ〜姫主様×家康様
家康は、涙を指で掬うと…。
「……可愛すぎ。こんなに、唇噛んで……」
つい刺激に耐えれなくて強く噛んだ唇。そこを、親指でスッと撫でられ、食むようなキスが降りてくる。
左右交互に角度を変えて、
甘いキスを繰り返す内に……
ソファの上に押し倒されて……
「甘いの貰ったけど、イタズラし足りない」
色情を浮かべた家康の顔は、まさに「忘我」深く刻まれた眉が、興奮の色を見せ……
酔ったように赤らんだ目は、獲物を捕らえたように鋭くギラつき……私を見下ろす。
白ウサギ執事が豹変して、
狼執事に変わった瞬間。
「まだ、食べ足りない」
私の露わになった頸にガブっと噛み付く。そして、窮屈そうなクロスタイを外し……
「い、えや……す…」
怯えたウサギみたいに、震える身体。
でもこの震えは、
恐怖じゃなくて期待への表れなのかも。
「こんな美味しそうなひまり。食べ尽くさないとか……」
「健全」な俺には無理。
ドクンと、胸が一つ鳴った。
「あっ、…ん……もう、胸ばっかり、食べちゃ……」
「何で?可愛いピンク色して。こんなに一生懸命、上向いて……食べて欲しそうだけど?」
上から順番に、
私の身体を食べ始めた家康。
呼吸が徐々に荒くなって……
「ひまり……っ」
「……………んっ」
シャツを脱ぎ捨て、
勢い良く覆いかぶさった時だった。
突如、クラッシック音楽が消え……
流れた館内放送。
『只今より、中央噴水広場にてハロウィン限定パレード「イタズラなハロウィンパーティー」を開催致します』
PM19:00
雷に打たれたみたいに、
片手で頭を抱えた家康。
一番、イタズラにあったのは……
もしかしたら……
「やっぱり、似合う〜カッコ可愛い〜」
「……俺、当分立ち直れない」
ウサギ耳を付けて拗ねる、狼になり損ねた……家康自身だったのかも?