第188章 〜後日談〜Halloweenイタズラ〜姫主様×家康様
甘い甘いお菓子。
チョコレート、キャンディ、クッキー……どれも大好き。
でも……
甘くて意地悪なイタズラは……
「何で、そうなるの……っ」
もう、泣きそう。
私を食べるとか言われてから、どれぐらい時間が経っただろう。部屋の中を走り回りながら、とうとうソファ越しで追い込まれてしまった。もう、完全にアリスと白ウサギの立場逆転。
(違う!耳つけてるから、私がウサギだったのかな!?)
一人でそんな下らないことを、とうとう考え出してしまう。それぐらい、取り乱して今はピンチ。
捕獲されたウサギみたいに、ふるふる首を振る。ソファに付いた両手を左手一つでガシッと捕まれ、とうとう身動きが取れなくなった。
「往生際悪いよ?ひまりお嬢様?」
まるで、本物の執事みたいな台詞。
家康は獲物を捉えたように鋭い視線を向け、はめていた手袋に噛みつき、右手の方だけを外す。
「今朝、お父さんに健全なお付き合いするって!」
私は、もうヤケクソみたいに叫ぶ。
ほんと今更で、
どの口が言ってるのって思うけど。
「だから、俺は我慢する。今日はね。おじさんに、今日は言われたから」
『今日』の部分を家康は強調。
そして、外した手袋をポイっと後ろに投げたかと思えば……
ヒョイ。
ちょっと気を緩めた瞬間。腰元を、捕まれ小さい子供がお父さんに抱き上げられるみたいに、足が床から離れて……
ポスッ。
ソファに下される。
「甘いのくれないと、本当にイタズラするよ」
家康もソファに片足を乗せて……
ツッ…耳朶を舌先でつつく。
「わ、私はお菓子じゃないもん!」
身体を縮こめて横向きになり、
身を守るようにソファにしがみ付いた。
「なら、口だけでその衣装脱がすから」
「へ?口だけ?」
思わず私はキョトンとする。
どうやって??
つい無防備になった時。
「そのまま、良い子にしてなよ」
シュルッ……。
家康は有言実行通り……。
口だけを使って、
エプロンの首元のリボンを解いた。