第188章 〜後日談〜Halloweenイタズラ〜姫主様×家康様
ひまりの甘い唇を堪能した後。
ご機嫌になった家康は洞察力を働かせ、迷路の中を無駄に歩き回ることなく、薔薇園でかぼちゃとキャンディの二つのスタンプを手に入れた。
「小さい頃から本当に得意だよね」
判断力、観察力に心底ひまりは、感心する。じっーとスタンプシートを見つめ「6個枠があるから全部で6個なのかな??」と、あれこれ考えながら歩く。
「とりあえず、五個集めれば良いんでしょ?」
「うん!クッキーは欲しい!」
後、三つか……。家康はそれなりに急ぐ理由があったが、それはまだ秘密。
次は、不気味な森の迷路。
子供でも体験出来るイベントになっていた為、大して怖くはないが……
「いっぱいコウモリがいるーっ!」
(思いっきり、作りモンだし)
ぎゅーっと、腕にお化け屋敷並みにひっつく姿に、家康は満足気に笑い……ちょっとした、イタズラ心が発動。
「ほら、あそこにスタンプあるから。押しといで」
暗闇に立つ怪しげな木。
目がくり抜いてあり、ガラスのようなクリアな板が薄っすら見える。
近づいたら、光る仕掛け。
え??目をまともに開けてなかったひまりは、眉をキュッと寄せてその木に視線向ける。
仕掛けには気づかなかったが……
「待っててあげるから」
家康の超絶スマイルに嫌な予感だけは、感じ取った。
「やだっ。一緒がいい」
「ほら、少しは協力し合わないと。ひまりもつまんないでしょ?それに……あんまりくっ付いてると」
もっと凄いイタズラするよ?
背中をスッと撫で上げれば、うっ。と、ひまりは赤い目をして睨む。
幼馴染として、性格を既に熟知。
家康がしれっと背中を軽く押せば、ゆっくり身を守るようにして歩き出す。そして……
「ハッピーハロウィン!」
「キャーッ!!!」
スタンプを押した瞬間。
仕掛けが発動。悲鳴を上げ派手に尻餅をつく姿に、家康は必死に笑いを堪えた……が。
「ぷっ!……くっくっ。小学生でも…くっ。そ、んなに驚かな……くっ」
限界だった。
(結局、イタズラされたのと変わらないよっ!)
風船並みに頬を膨らませ、それでもピトッとくっ付くひまりに、家康は大満足。