第186章 〜後日談〜Halloweenイタズラ〜弓乃×政宗様
真昼間から。
「ちょっとぐらいは甘いの、欲しいんだからっ!」
腹立つぐらい、可愛いこと言いやがって。俺なんかにそんな、必死になる必要あるか?
(ったく。手のかかるヤツ)
でも。まぁな。
手のかかる女は嫌いじゃない。
「え!……ちょっと!どこにっ!」
「甘いの欲しいんだろ?黙って、付いて来い」
玩具の手錠で繋がれたまま俺は弓乃を連れ、休止中のアトラクション裏に連れ込み……
「なにする気…よ…」
さっきまでの強気な態度は消え、警戒するようにズルズル後ずさるのを、じりじりと壁に追いつめ……
ドンッ!
弓乃を壁にもたれさせ、ミニスカートの股の間に足を入れ壁を蹴った。
手錠で繋がった方の手を掴み上げ、
「俺は捕まるより、捕まえたい方だからな」
「ま、さむ……ね……」
震える声で俺を呼び、見上げる姿はなかなか唆る。怯えてる割には目は赤く潤み、奥で見え隠れする期待。
「イタズラされるのは、性分じゃねぇ。してやるから、カギ寄越せよ」
そう吐息混じりに低い声を出せば、茶色い髪から覗く耳がみるみる赤く染まり……
「それだと、反対になるじゃない///お菓子をあげる代わりに、イタズラしないのが……っ///」
状況を飲み込んだのか、声に張りが出た弓乃は、真っ赤な顔を横に向ける。
「お前だって、先に仕掛けてきたじゃねぇか。なら、身体のどっかにカギ隠せよ。……片手で探してやるから」
甘いの欲しいんだろ?
見つけられなかったら、聞きたいこと全部答えてやると言えば、弓乃はゆっくり前に顔を戻し……決心したように薄い唇をキュッと一度結ぶ。
「なら、あっち向いてて……」
俺は首を後ろ向きに捻り、数十秒後。
イタズラゲームがはじまった。