第186章 〜後日談〜Halloweenイタズラ〜弓乃×政宗様
最低なイタズラ。
でも、「関係ない」って、言われて。
カチンときて。勝手に涙が浮かんできて。
(いっつも私には、感じ悪い返事ばっか……)
他の子には、そんな態度取らないのに、本気でムカついて。
横に置いてた手が震え出して。
そしたら腰元に下げた手錠に、あたって……
「答えるまで、取ってあげないからっ!」
睨みながら、そう叫んでた。
だってさ、仕方ないじゃん。
……その台詞。
好きな人に言われたくないワースト三位ぐらいに入るんだから。
クラスの皆んなに最近冷やかされて、ちょっと……実は結構、最近期待してた。ひまりと徳川が一緒に居る時間が多くなって、私と政宗が一緒に居る時間も自然に増えた。
基本、私達は四人一緒。
でも、やっぱり。
まだ、ひまりのこと好きなんじゃないかって。本当は見てるの、側にいるの辛いかもしれないと思って……普段から、顔とか態度に出さないから。
気にしてたんだから。
そんな時に、ひまりに似た雰囲気の子に告白されたらグラッて……もしかしたら、万が一揺れるかもって。
不安になるのは普通じゃないの?
サラッと聞いたら、軽口で答えてくれると思うじゃん?
彼女でもないのに、重く聞いたら……
重い女だって。
恋愛漫画や映画では
それが定番……じゃないの?
私は王道の可愛いヒロインに、
慣れなくても良い。
手錠で繋がって、無理矢理答えさせるなんて、卑怯なヒロインになりたいわけじゃない。
でも……
「ちょっとぐらいは甘いの、欲しいんだからっ!」
これが私。
気長に振り向いて貰うの、じっと待ってるような女の子でも。可愛く聞けるような女の子でも。
なくて、ただ……
政宗のヒロインに
なりたいだけの、必死な女の子。