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【弱ペダ・荒】あなたに

第1章 終わりと始まり


中学の時、楽しく野球をしていた靖友が怪我をしてからすっかり変わってしまった。
「荒北、箱学なの?!」
靖友の進学先は高校受験の日に判明し、
「俺の分も見とけ」
合格発表の日、靖友の分も確認して二人無事に合格。並ぶ受験番号を見てこれはまた長い付き合いになりそうだと思った。靖友とは家が裏にあるお隣さんで、幼稚園からずっと一緒。そんな靖友は高校になると原チャを乗り回し、相変わらず不良ぶっていた。
「またクラスメイトパシリに使ってたでしょ!」
「うっせーよ!」
「あんなひ弱そうなの荒北に合う訳ないでしょ!ベプシ位自分で買いに行きなよ!」
「黙っとけ!近寄ってくんな‼」
「いい?今度からはもうちょっとマシな奴にしなよ!」
靖友に仲間ができるのは嬉しい、だが、だからってそんな適当そうな奴は頂けない。
そんな風にいくらお互い悪態ついても
「乗ってけ」
と、名が部活で遅い日は荒北の後ろに乗り、送ってもらうのが日常で
「ありがとう」
と名はそんな荒北な間はまだ更正の余地があると信じていた。
「もっと荒北と合う人を仲間にしなよー」
「うっせ」
「早く更正しなよー」
「振り落とすぞ!!」
それがいつものやり取り。そんなある日の事、
「どーしたの?」
「何が」
いつものように遅くなる事を荒北に伝え、門のところで待ってもらい二人で帰る。
「何がって・・・バイクは?!」
いつもと違い、歩く二人。
「しらネ」
「しらねって・・・」
そして、見たことのない細い自転車。
「その自転車どーしたの?」
「うっせ、置いてくぞ」
「どーしたのそれ?」
「黙っとけ」
その日の別れ際
「明日から送ってやれねーから早く帰れ」
そう言って次の日荒北はリーゼントを切ってきた。周りも何があったのかと噂し、しばらくすると自転車競技部に入ったからだと流れてきた。
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