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恋愛診察2

第8章 11月


急いで鼻をかんで玄関に走った。

「おか・・・えりなさーい!」
「・・・どうしたの」
「はい?」
「目が腫れてる」

まだ少し残っていた涙を取ってくれた和也君は・・・覚えてくれていないと思われます。

「なんでもありません」
「ありそう」
「ない」「嘘」「・・・」

あるって言ったところで何に変わってくれるんですか。
ただでさえ、お仕事でお正月もクリスマスも祝えないだろうに。

「ご飯・・・できてます」
「ちょっと!」

鞄を床に落として、後ろから止められた。
腰に手を回されて、引き寄せられる。

「離してください」
「なんか変。貴女」
「・・・変ですね」
「うん」

記念日なんて、忘れた方がいいのかもしれない。
何くだらないこと言ってんの、って
飛ばせれば・・・。


涙が出そうになったけど、こらえた。
こんなことして、いつも思う。



嘘はニガテだ・・・と。







「大丈夫ですから」
「声が、泣きそうですよ?」
「なんでもないです」
「あおさん」

そのまま繋がって居間に入って
和也君をソファ駅で降ろした。

葵電車は調子が悪いです
・・・なんて意味わかんないことを言ってる私。

「待っていてくださいね」
「なんなの?」
「え?」

その一言で足を止めた。

「俺、わかんないです。なんでそんな我慢してんの?貴女が嘘下手なこと、俺が一番知ってるのに・・・」







じゃあ・・・わがまま言えって言うんですか。



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