第8章 11月
・・・・・・でも
かれこれ二週間会えてないんですね~。
なんの話もしようがない。
このままでは十一月が終わって、クリスマスが来てしまう!
とりあえず電話をしようと、携帯を手にしたものの・・・お仕事中に電話はわがまますぎてしまう気がして、また机の上に戻した。
「こんなものなのに・・・」
和也君がいないから言える本音。
アイドルと恋をするってこういうことで
会えない日なんて当たり前。
祝えないなんて当たり前。
最近私は甘えすぎです。
我慢しないといけない・・・・・・。
でも、切ないものに変わりはない。
きっと・・・いや絶対。
和也君は忘れてる。
それどころか、覚えていないと思う。
記念日なんて、あまり好きじゃなさそうですし
面倒がられると思う。
「がまん!がまん・・・」
これくらい我慢できないなんて、妻失格です。
ただ、私はバカだから
自分で言っておきながら傷ついて
泣くパターン。
ガチャッ
こんなタイミングで帰ってこないでほしかった。