第7章 10月
そう言って、初めて皆の前であおさんにキスをした。
堂々と、こんな形で・・・。
「あーあ。葵ちゃん大丈夫?」
「ニノ、いつの間に大人になったの?」
「ふふっ」
俺だって恥ずかしいですよ!
でも、あおさんは私の魔女なの。
私の心をおかしくさせる魔法しか、使えないけどね。
「あおー」
「日向ー」
この顔は、きっと俺の気持ちに気づいてないでしょ。
ヴァンパイア(俺)は・・・あおさんの血(心)しかいらないのよ?
「あおさんは俺のものですよ」
「いいな~奥さん」
「俺もそろそろ誰かと・・・」
いつの間にか、人生の話になっていた。
ハロウィンパーティーなんて、三十にもなればこんなものですよ。
でも、これでいい。
「早いとこ彼女見つけなきゃ」
「出会いがないよー」
「自己紹介少なくていいでしょーが」
アイドルって、大変なようで楽なんですよ。