第1章 4月
「あ、あおさん」
「はい?」
「頭に桜が」
あおさんの頭にふんわりと乗っかる桜。
手で取り道に捨てると
あおさんの顔が赤かった。
すぐに赤くなるんだから。
困った奥さんですよ。
そんなかわいい顔しないでよ。
襲いたくなっちゃうでしょ?和也君。
周りをチラッと見て、近くに人がいないのを確認してから
「あおさん」
「はい?・・・っ!」
キスをした。
音をたててみたりして・・・。
「和也君」
「なあに?」
「桜・・・綺麗ですね」
ゆでダコみたいに赤くなって、
かつ嬉しそうなあおさん。
「貴女の方が綺麗ですよ」
ちょっと驚いたあおさんが、私に仕返しをしてきた。
「いくら桜でも和也君には敵いません」
ってね。